腹部超音波(エコー)検査について

腹部超音波(エコー)検査画像

腹部エコーとは、腹部超音波検査とも呼ばれる検査で、お腹の部分に超音波をあて、そのエコー(反射波)を画像として捕らえることにより、臓器等に異常がないかどうか調べるものです。レントゲン検査やCT検査と異なり、放射線の被曝が無い検査ですので、お子様や妊婦の方も心配なく受けることができます。

腹部エコーで主に対象となるのは、肝臓、胆のう、胆管、膵臓、脾臓、腎臓などで、場合によっては、子宮、卵巣、膀胱、前立腺、胃、小腸、大腸などの検査でも行われます。身体への負担が少ない検査であることから、初期段階や、経過観察などの繰り返しの検査にも適しています。
ただし、腹部エコーでは、超音波が骨やガスにあたると、弱まることや、反射することがあり、画像が上手く作りだせないことがあり、見えにくくなります。そのため、部位によっては、他の検査を組み合わせる必要が生じます。

腹部超音波検査で分かる病気には、以下のようなものがあります

肝臓 肝臓がん、肝硬変、肝膿瘍、脂肪肝、肝のう胞 ほか
胆のう 胆のうがん、胆石、胆のうポリープ、胆のう炎 ほか
胆管 胆管がん、胆管結石 ほか
膵臓 膵臓がん、膵炎 ほか
脾臓 脾腫 ほか
腎臓・尿管 腎結石、尿管結石、腎のう胞 ほか
大動脈 大動脈瘤 ほか
その他 腹水、虫垂炎 ほか

腹部エコー検査に際してのお願い

検査前日

前日の夕食は、できるだけ午後9時頃までにとるようにしていただきます。

検査当日

午前中に検査を行う場合は、朝食を食べずにご来院ください。午後の場合は、医師またはスタッフにご確認ください。得に胆嚢の検査では、食事をすると胆嚢に溜まっていた胆汁が分泌されてしまい、胆嚢がしぼんで観察しにくくなります。
膀胱、前立腺、子宮、卵巣等の検査では、尿が溜まっていた方が見えやすくなります。我慢できる範囲で排尿を控えていただくと検査に効果的ですが、決して無理はしないようにしてください。
糖尿病薬など、日ごろ服用している薬に関しては、検査後に服用していただく方が良いものもありますので、事前にご相談ください。

当院では、胃カメラと同時に検査することもありますが、その場合、胃や腸の中に胃カメラの際に入れた空気によって超音波が通りにくくなるため、まず腹部超音波検査から行うようにしています。
検査当日は、腹部に検査用のゼリーを塗りますので、万が一ゼリーがついても問題ない服装、おなかを出しやすい服装でご来院ください。

腹部エコー検査の流れ

  • 検査台の上に、腹部を出した状態で横になっていただきます。
  • 検査用のゼリーを腹部全体に塗ります。これは超音波を通りやすくし、画質を向上させるためのものです。
  • プローブと呼ばれる超音波を出す装置を腹部にあてて検査をおこないます。ゼリーを塗ることにより、グローブが動かしやすくなるという効果もあります。
  • 検査中、「体の向きを変えてください」「息を大きく吸ってください」、「息を止めてください」、「息を楽にしてください」など、お願いをすることがあります。これは臓器をより見やすくし、病変の見落としなどを防ぐためのものですので、ご協力をお願いいたします。
  • 対象となる臓器の確認が完了しましたら、ゼリーを拭き落とし、検査終了となります。
  • 検査終了後、基本的にはすぐに検査結果をご説明いたします。